葡萄の黒とう病の症状・原因・対策について

ぶどう栽培をされている皆さん、こんにちは。今回は、ぶどうを脅かす厄介な病気「黒とう病」について詳しく解説します。黒とう病は、適切な対策を取らないと、ぶどうの収量や品質に大きな影響を与える可能性があります。この記事では、黒とう病の症状や原因、そして効果的な治療農薬についてわかりやすく説明します。

黒とう病の主な症状

黒とう病は、主に葉、果梗、果実に発生します。初期症状としては、葉に褐色の小斑点が見られ、次第に拡大して黒色の病斑となります。病斑は、葉脈に囲まれた多角形になるのが特徴です。進行すると、葉が黄化したり、早期落葉したりすることもあります。

果梗や果実にも同様の病斑が現れ、果実の場合は、病斑が果皮全体に広がり、果肉が腐敗することがあります。

黒とう病の発症原因

黒とう病は、カビによって引き起こされます。この病原菌は、感染した葉や枝などで越冬し、翌年の春に胞子を飛散させて感染を広げます。特に、気温が高く湿度が高い環境で活発に活動するため、梅雨時期や夏場に注意が必要です。

黒とう病って治療できる?

個人的には一度発症してしまうと治療はできないと思っています。まだ、葉っぱの一部、新梢の1本に兆候がみられたぐらいであれば↓の農薬を散布したら間に合うかもはしれません。

ですが、一部ではなく、多くの葉っぱに黒とう病の症状が見られたり、果房に黒い点々が見つかったらおしまいです。速攻切り落として畑の外に持ち出すしかありません。

治療に望みをかけてそのままにしておくと、菌が畑で繁殖して来年以降も発病しやすくなります。その点を注意してください

オンリーワンフロアブル

  • 特徴: 予防効果と治療効果を兼ね備え、残効性にも優れています。
  • メリット: 散布適期が広く、使いやすい薬剤です。耐性菌のリスクを低減するため、他の薬剤とのローテーション散布に適しています。

インダーフロアブル

  1. 予防・治療効果: 病原菌の侵入を防ぐだけでなく、感染初期の菌糸伸長を阻害し、病斑の拡大を防ぎます。
  2. 幅広い適用範囲: ぶどう以外にも、なし、もも、おうとうなど、様々な果樹の黒星病や灰星病にも効果を発揮します。
  3. 低濃度で使用可能: 効果が高い一方で、低濃度で使用できるため、環境負荷を抑えられます。また、薬液による果実の汚れもほとんどありません

これらの農薬は、それぞれ使用方法や散布時期が異なりますので、ラベルをよく読んでから使用してください。また、同じ農薬を連続して使用すると、薬剤耐性菌が出現する可能性があるため、異なる種類の農薬をローテーションで使用することが推奨されます。

黒とう病は予防が大切!初期防除にデランフロアブルが効果的

黒とう病の防除には、発病前から定期的な予防散布が重要です。特に、初期防除に効果的なのが「デランフロアブル」です。

デランフロアブルは、浸透移行性のある殺菌剤で、病原菌の侵入を防ぎ、発病を抑える効果があります。

葡萄栽培初心者の方にとって散布するタイミングが分かりずらいと思いますが、初期防除というのは発芽する前の段階です。芽も葉っぱも何もでていない時期に散布します。

そんなので効果ある?と思われるかもしれませんが、とても効果があります。効果を高めるために芽が膨らんでもう少しで芽が出るというタイミングで散布するとなお良いです。発芽前は200倍に薄めて散布しますが、葉っぱが出てからは1,000倍まで薄めます。濃度が違うので散布するタイミングは絶対に間違えないようにしてください。

抵抗性品種の選択: 黒とう病に強い品種を選ぶ

品種によっても黒とう病にかかりやすかったりします。今大人気のシャインマスカットはかかりやすいので、苗木を買ってきたら芽が出る前にデランフロアブルを散布してください。

その他の品種はネット検索したらでてきます。

以前書いたこちらの品種は病気に強く、育てやすいので参考にしてください。

まとめ

黒とう病は、ぶどう栽培において注意すべき病気の一つですが、適切な対策を講じることで被害を最小限に抑えることができます。雨除けもかなり有効な予防策です。この記事で紹介した情報をもとに、黒とう病の予防と治療に努め、美味しいぶどうを収穫しましょう。

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