日本の農業はオワコン?危機的状況の日本農業

農家の私ですが、日に日に日本農業の終わりを感じております。

高齢化や異常気象、農政の迷走など、日本の農業を取り巻く状況は厳しさを増しています。

今回は、日本の農業が直面する危機的状況について書いていこうと思います。

高齢化が進む農家

日本の農業の平均年齢は67歳を超え、高齢化が深刻な問題となっています。後継者不足も深刻で、このままでは日本の農業は衰退の一途をたどるでしょう。

若い世代が農業に魅力を感じない理由は、収入の不安定さや重労働のイメージが強いことが挙げられます。また、初期投資の負担も大きく、新規就農へのハードルが高いことも問題です。

温暖化による異常気象

地球温暖化の影響で、日本の気候は大きく変化しています。集中豪雨や干ばつ、猛暑などの異常気象が頻発し、農作物に甚大な被害を与えています。

例えば、2023年の夏には記録的な猛暑が続き、米や野菜の生育に深刻な影響が出ました。また、2022年の台風14号は、各地で農作物をなぎ倒し、農家に大きな損害をもたらしました。そして2024年には山形・秋田の集中豪雨・・

テレビでは半世紀に一度の雨量なんて報道されますが、毎年のように被害があります。

温暖化の影響は今後も深刻化すると予想され、日本の農業はますます厳しい状況に追い込まれるでしょう。

個人農家を苦しめる政策の乱立

近年、インボイス制度や電子帳簿保存法など、個人農家にとって負担の大きい政策が次々と導入されています。これらの制度は、大企業や組織化された農業法人には対応可能ですが、小規模な個人農家にとっては、事務作業の負担が増え、経営を圧迫する要因となっています。

また、農産物の価格が市場に委ねられていることも、日本の農家の収入を不安定にしています。小売業者や卸売業者の立場が強く、農家は買い叩かれる傾向にあります。

稼ぎづらく、やりがいだけの農業

これらの問題が積み重なり、日本の農業は「稼ぎづらく、やりがいだけの仕事」というイメージが定着してしまいました。確かに、自然と触れ合い、自分の手で食べ物を育てる喜びは、農業ならではのやりがいです。しかし、それだけでは生活を維持することはできません。

若い世代が農業に魅力を感じ、安心して就農できる環境を整えることが急務です。

外国は国による直接支払い

一方、アメリカなどでは、国が農家に直接支払いをし、農産物の価格を一部保証する制度が一般的です。これにより、農家は安定した収入を得ることができ、安心して農業経営に取り組むことができます。

日本でも、農家の所得を安定させるための政策が必要とされています。例えば、農産物の最低価格を保証する制度や、農家の経営を支援する補助金制度などを導入することで、農業を魅力ある職業にすることができるでしょう。

ですが、その補助金、申請書や報告書の作成難易度が上がっている感じがします。市役所、振興局、農協などの協力を得ないと作成が困難な書類が多いです。

農業育成人材投資資金という制度があります。農業を始めたばかりの研修生や就農者に年間150万円が支給されます。私も活用しましたが、研修終了後6年間にわたり報告する義務が発生します。半年に一回報告書を作成し、作業日報、仕訳帳、通帳コピー、決算書を提出しなければなりません。知らないおっさんに隅々まで調べられます。(恥ずかしい)血税から頂くお金なので報告義務は仕方ないとは思っていたのですが、政治の裏金問題や大臣による「税金を納めるのは個人の自由だ」という発言を聞いてからは腹立たしくなりました。

日本の農業に未来はあるのか?

日本の農業は確かに危機的状況にあります。しかし、決してオワコンではありません、打開策はあります!と政府は訴えていて以下がそんな内容です。

  • 技術革新: AIやロボット技術を活用したスマート農業の導入が進んでいます。これにより、労働力不足を解消し、生産性を向上させることができます。
  • 高付加価値化: 有機栽培や特別栽培など、高品質な農産物の生産に取り組む農家が増えています。海外市場への輸出も拡大しており、新たな販路開拓の可能性も広がっています。
  • 地域活性化: 農業体験や農家民宿など、農業と観光を組み合わせた取り組みも注目されています。地域の魅力を発信し、新たな雇用を生み出すことができます。

これらができるのはほんの一握りの農家だけです。

農業を続けていくためには農業インフラが必要です。例えば水路です。これを使えるようにするため年に数回その水路を利用する農家が集まり、草刈りやごみ掃除などをしています。農家人口が減り続ければこういった農業インフラの維持ができなくなります。これが私の考える大きな懸念点の一つです。

種・肥料・農薬の海外依存

農業における大切な種・肥料・農薬は全て海外に依存しています。今回のウクライナ戦争でこれらは高騰し、廃業する農家が相次ぎました。(葡萄農家が影響を受けるのは農薬くらいで私は何とか生き残りました)

なにやらきな臭くなっている世界情勢で今後何があるか分かりません。

そういった際にまず飢えるのが日本のような海外依存度の高い日本だと思います。アメリカは農業を「国防」という風に捉えているそうです。今後もアメリカからたくさん輸入させてもらう対価に色々と買いたたかれるのでしょう。

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